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Severstalの四半期資金収支は改善、それでも9カ月期の配当を見送る理由

Severstalの第3四半期フリーキャッシュフローは426億ルーブルに回復したが、9カ月累計は赤字。売掛金、ファクタリング、設備投資を読み解く。

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鋼板コイルの隣に、文字のない財務書類のファイルと投資計画のバインダーを置いたイラスト。
AIで生成した鉄鋼生産と資金計画の概念図。Severstalの実在する施設を描いたものではない。 Russia Economy

ロシアの鉄鋼大手Severstalは、第3四半期のフリーキャッシュフローが大きく回復した一方、2026年1〜9月期の配当は行わないと表明した。違いを生むのは対象期間だ。7〜9月期の好調な資金収支だけでは、それ以前に積み上がった資金流出を埋められなかった。

10月20日公表の決算によると、四半期のフリーキャッシュフローは426億1,800万ルーブルで、前年同期の72億7,200万ルーブルから増加した。しかし1〜9月累計は275億7,700万ルーブルのマイナスだった。

収益性の改善は販売数量の増加とは違う

四半期売上高は前年同期比約3%減の1,735億3,500万ルーブル。EBITDAは13%増の399億8,100万ルーブルで、その利益率は20%から23%に上がった。純利益は17%増の151億7,400万ルーブルだった。

同社は利益率の改善を価格とコスト最適化によるものと説明した。製品構成の改善が平均販売価格を支え、数量減少を一部補った。鋼材製品の販売量は9%減の260万7,000トン。一方、粗鋼生産量は272万3,000トンとほぼ横ばいだった。

生産、販売、利益はそれぞれ異なる側面を示す。採算が良くなっても販売量が増えたとは限らず、完成品を重視する方針は、生産と在庫、出荷の関係も変え得る。

資金収支が大きく改善した背景

Severstalは、EBITDAの増加に加え、売掛金の減少を通じて運転資本から資金が解放されたと説明した。アレクサンドル・シェベリョフ最高経営責任者は、ファクタリング取扱量の回復にも言及した。

売掛金は顧客がまだ支払っていない代金であり、その減少は事業に拘束されていた資金を回収することにつながる。ファクタリングは債権と仲介機関を用いる仕組みで、入金時期を変え得る。資金調達やリスクへの具体的な影響は契約内容によって異なる。

四半期の投資支出も42%減の231億8,300万ルーブルとなった。投資支払いの減少は、利益の動きとは別にフリーキャッシュフローを支える。同社の算定には営業キャッシュフロー、設備投資支出、資産売却収入、受取利息と受取配当が含まれる。

このため、フリーキャッシュフローは純利益やEBITDAと区別して読む必要がある。発表は改善要因を示すが、同じ運転資本の効果が毎四半期続くとは証明していない。

配当見送りは累計期間で考える

1〜9月の売上高は10%減の4,884億1,000万ルーブル、純利益は61%減の192億9,300万ルーブルだった。経営陣は配当を行わない理由を、累計の資金収支がマイナスであり、投資案件に資源を集中する必要があるためと説明した。

同社は2026年の設備投資予想を1,120億ルーブルに据え置き、通年のフリーキャッシュフローもマイナスになると見込む。いずれも経営陣の予想で、確定した年間実績ではない。

今回の決算は一社の収益性と回収資金の改善を示している。ロシア製造業全体の回復や将来の配当を保証するものではない。次の焦点は、追加の売掛金圧縮に頼らず、事業面の改善を維持できるかである。

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